【東京都庭園美術館】《YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界》始まる

展覧会

6月1日から《生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界》が開催されています。始まって間もない6月6日に訪問。原則的に日時指定予約制です。観覧料は一般1,400円。私はチケット売場で『ぐるっとパスカード』を呈示してチケットを受け取りました。本館へ向かいます。

本館

本館中央のエントランスから入館。麗しい特大ポスターが貼られています。受付を終えて館内に足を踏み入れると、その荘厳さに圧倒されます。館内は撮影不可(一部の展示室は撮影できます)。

順路は、1階展示室から2階展示室へ。要所要所にスタッフが配置されています。私は2階ホールで迷い、傍らのスタッフに尋ねて、順路を教えて貰いました。受付に置かれた『作品リスト』に、館内の間取りと順路が掲載されていますご参考まで。

印象に残った作品、撮影できた作品を章立てに沿ってご紹介します。展示順序とは異なっています

1章 清新な写生と「夢二のアール・ヌーヴォー」

1 童 子 (大正初期)

2階展示室に展示されています。童5人が手をつないで椿の木を囲む構図。幼い日の光景を回想して描かれたようです。女の子達の中に一人混じる男の子は夢二少年でしょうか。右端の少女が小さすぎたり、幹の陰に隠れた童二人の手がつないでいるように見えなかったり…幾つか矛盾があります。それを差し引いても余りある魅力的な作品。遊具がなくても遊びをみつけていた童たちの日常から、素朴な村の暮らしを窺うことができます。

3 稲荷山 (明治末期〜大正初期)

1階《香水塔》隣の展示室にあります。鳥居連なる丘の上へうねうねと続く小径に佇む妙齢の女性が描かれています。日傘を差して扇子を翳す所作がしとやか。右肩辺りの描線がいびつで、華奢な体つきがより強調されています。着物の柄は、古典的な“千鳥”と“青海波せいがいは”。何故か、サーフボードに乗る2匹の兎。(黒く塗りつぶされた髪の)少女らしき姿も見えますが、はっきりしません。斬新とも奇妙とも思える取り合わせです。縦長を活かした構図の巧さが見どころだと思います。

28〜31 千代紙 (大正前期)

2階の展示室にあります。ガラスケースの斜め上から鑑賞。

28 千代紙「桜草」(みなとや版) 木版、紙
29 千代紙「蔓草」(みなとや版) 木版、紙
30 千代紙「椿」(みなとや版) 木版、紙
31 千代紙「きのこ」(みなとや版) 木版、紙

33 帯 (大正前期)

こちらも2階の展示室にあります。作品保護のため、6月30日までの展示となるようです。左側にも彩色が施されていますが、判別しづらいですね。

33 帯「いちご」 油彩、絹

2章 大正浪漫の源泉―異郷、異国への夢

79 一座の花形 (1916年頃)

81 宝 船    (1920年)

何れも1階奥《大食堂》に展示されています。

夢二の妻・たまきを店主にした「港屋絵草紙店」では、夢二がデザインした千代紙や絵封筒などの商品のほかに一枚絵の木版画も販売された。一枚絵は「港屋版」のほかに、港屋の閉店後に大阪の柳屋書店が版木を譲り受け販売した「柳屋版」、さらに柳屋が夢二に下絵を依頼し制作したものが存在する。(キャプションより引用)

79 一座の花形(みなとや版) 木版、紙 
81 宝船(やなぎや版) 木版、紙 

3章 日本のベル・エポック―「夢二の時代」の芸術文化

旧朝香宮邸/大食堂の展示風景

109 憩い(女) (昭和初期)

1階奥《大食堂》のアーチ状の空間に展示されています。夢二の描く女性は長い髪に着物姿、というイメージがありますが、本作は洋服に身を包んだショート・カットの女性がモデル。空いている椅子は、待ち合わせている人物の不在もしくは来訪を暗示しているのでしょうか。物思いに耽る表情が意味深長です。

109 憩い(女) 絹本着色

二曲屏風が一対となった作品《憩い》にはそれぞれに洋装の男女が描かれ、西洋文化が人々の暮らしに入ってきた昭和初期頃の様相がうかがえる。(中略)対で描かれた左隻『憩い(男)』は夢二郷土美術館に所蔵されている。(キャプションより引用)

スタッフに尋ねたところ、展示替はなく、本展では左隻の展示はないそうです。

4章 アール・デコの魅惑と新しい日本画―1924-1931年

138〜141も同じく《大食堂》に展示されています。

138 秋のしらべ (1924年)

139 雪の風 (1924年)

雑誌『婦人グラフ』第1巻第8号 表紙

140 霜葉散る (1926年)

雑誌『婦人グラフ』第3巻第10号 口絵

141 山・山・山 (1927年)

雑誌『婦人グラフ』第4巻第2号 口絵

151 星まつり (昭和初期)

1階《香水塔》隣の展示室にあります。七夕の風景。両膝を地面について提灯に火を灯そうとしている女性と、笹に提灯を提げようとしている立ち姿の女性が描かれています。構図からすれば、立ち姿の女性一人だけで成立する絵だと思います。二人の女性に役割を分担させることで、“提灯に火を灯して笹に提げる”動作の時間経過を表現しているのかもしれません。“賛”には、夢二自作の俳句が流麗な筆跡で綴られています。「まつり」の表記は、句中では「祭」、落款の添え書きでは「まつ里」が使用されていました。

152 湖畔舞妓図 (昭和初期)

どこに展示されていたか思い出せませんうろ覚えながら、この展示室には、この一点だけでした。着飾った舞妓が湖畔のほとりで一服する様子が描かれています。帯の青竹の柄から、避暑地での一コマだろうか…と想像しました。

152 湖畔舞妓図 紙本着色

5章 夢二の新世界―アメリカとヨーロッパでの活動―1931年-1934年

残念ながら、記憶が曖昧なので割愛します。

本展に限り『ドレス・コード割引』が適用され、着物・浴衣での来館も推奨されています。現に、着物をお召しになって来場された女性を多数見かけました。《生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界》会期は8月25日まで

東京都庭園美術館 | TOKYO METROPOLITAN TEIEN ART MUSEUM
東京都庭園美術館は1933年に建設されたアール・デコ様式の旧朝香宮邸とその空間をいかした展覧会、緑豊かな庭園を楽しめる美術館です。

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