登録有形文化財【大倉集古館】で《寄贈品展》を鑑賞。(2024年/秋)

展覧会

9月14日より《寄贈品展》が始まりました。会期は10月20日まで。うかうかしていると見逃してしまいそうなので、開幕初日に訪問しました。入館料は一般1,000円。私は受付で『ぐるっとパス』(2,500円、2ヶ月間有効)を購入。中旬から続々と展覧会が始まっているので、パスを購入するには最適なタイミングかと思います。

外観はもとより内装からも、重厚な歴史的建造物であることが窺えます。

2階テラス

1階展示室にて近代日本画・書・木彫工芸品等を、2階展示室にて陶芸家/森陶岳氏の作品を鑑賞することができます。展示室間や地下への移動には階段の他エレベーターも利用できます。展示室内の撮影は不可。印象に残った展示作品を幾つかご紹介しましょう。

菊池契月けいげつ 《菊》 1929年

菊池契月《菊》1929年  (絵葉書を自宅で撮影)

奥の壁面。大きな掛け軸に描かれているのは、花瓶に白菊等が生けられた静物画です。“中央建物㈱寄贈品。ローマ展出品作”とのこと。高低2段の菊がダイナミックです。下段の菊にボリュームを持たせ、裾に赤い小菊・湾曲した草を配しているので、収まりが良いですね。生けた方のセンスが大いに貢献していると思います。画家の技量も当然高く、次にご紹介する《晩秋》と並んで推したい作品です。丹念に描かれた菊の葉が花をより引き立て、花弁の真ん中に薄くぼかした色の加減も絶妙です。

荒木十畝じっぽ 《晩秋》 1929年

荒木十畝《晩秋》1929年 (絵葉書を自宅で撮影)

高さ4m位の掛け軸です。“中央建物㈱寄贈品。ローマ展出品作”とのこと。本展のチラシ全面に《晩秋》(部分)がカラー刷りされているので、作品を一瞥しただけでそれと判ります。キャプションによると、荒木十畝は“伝統を継承しつつ、写生を基本にした新しい日本画の構築を目指す『守旧斬新主義』を掲げ、同時代に活躍した横山大観と並び称される”こともあったそうです。樹木に絡む紅葉したツタと、枝を伸ばす常緑の松葉とのコントラストが見どころ。2羽のウズラと可憐な桔梗を描くことで、単調になりがちな地面に生命力を加味しています。

伊東深水 《小雨》 1929年

さ3m位の掛け軸。“中央建物㈱寄贈品。ローマ展出品作”とのこと。桜の花びらが舞い散る窓際で、三味線を爪弾く芸者の姿が描かれています。露出している顔・うなじ・手首・指が透き通るように白く、妙齢の女性であることが窺えます。美人画と言えば上村松園が筆頭に挙がるかと思いますが、伊東深水といい鏑木清方といい、男性画家の描く女性は、匂い立つような色気を身に纏っているんですよね。モデルの芸者さんの数年後の姿も見たかったです。

佐々木尚文ささきしょうぶん放生司ほうじょうし 1929年

中央建物㈱寄贈品。ローマ展、第10回帝展出品作”とのこと。キャプションによると“放生司とは奈良時代、狩猟を取りしきった官職”とのこと。オレンジ色の官服を着た放生司が左腕に鷹を止まらせ、すっくと立っている構図です。放生司の精悍な顔立ちに惹きつけられます。人物の描写は見事なのですが、傍らの鷹の表情に猛々しさが感じられず、やや物足りない気がしました。

大智勝観おおちしょうかん 《梅雨あけ》 1929年

中央建物㈱寄贈品。ローマ展、第16回再興院展出品作”とのこと。キャプションによると”勝観は日本美術院の再興に参加し、後に経営に加わった”とのこと。左右一対の額装作品を私は初めて見ました。それぞれ中央に縦の継ぎ目があり「何故、継ぎ目があるのか?」疑問に感じました。帰宅後、受付で貰った見開きパンフを拝見して合点。掲載されているローマ展展示風景写真では、設えた床の間に屏風として展示されているではありませんか。いつ額装に変わったのか定かではありませんが、ならば屏風のまま保存して貰いたかったです。キャプションによると“自宅の500坪の庭の様子を描いた”とのこと。背景は金箔。画面手前にはドクダミの白い花、全面にタケノコから竹へと成長した若竹が描かれています。数種類の草木も描き込まれています。

以上、展示されていた近代絵画から5点をご紹介しました。意図して選んだ訳ではありませんが、何れもローマ展(1930年)に出品された作品です。

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感想(10件)

2階へ続く階段、凝ったデザインの親柱

2階へ移動。陶磁器の鑑賞眼は持ち合わせていないのですが、ご参考まで3点ご紹介したいと思います。

森陶岳もりとうがく 《緑釉割山椒鉢りょくゆうわりさんしょうばち1997年

伊東和子氏寄贈品”。5枚組の鉢。あまり見掛けない発色(深緑色)です。造形も斬新です。

森陶岳 《備前貝皿》1975〜76年

伊東和子氏寄贈品”。6枚組の丸皿。貝殻のように波打つ縁の造形に面白みがあります。

森陶岳 《備前半月台鉢》1986年

伊東和子氏寄贈品”。後になってから、チラシに掲載されていることに気がつきました。半月形の大皿を見掛ける機会は滅多になく、この造形だけでも目を引きます。淡い色の満月。近景には横に伸びる枝が重なり、秋の趣を感じる作品です。この皿には脚部があります。しゃがんで横から覗くと、両側に丸い突起(各4つ)が皿を浮かせていることが見て取れます。

一階展示室には“木彫工芸家/木内半古きうちはんこしょうこの木彫工芸品”も展示されています。ご興味のある方はこちらもお楽しみ下さい。全体の所要時間は1時間前後かと思います。(私は一部展示作品のキャプションをノートに転記していたので、館内に1時間45分滞在しました。)

《寄贈品展》の会期は10月20日まで。

公益財団法人大倉文化財団・大倉集古館

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