西池袋/自由学園明日館を見学。(2025年/夏)

重要文化財

冒頭の写真は、ホールの奥にある食堂です。

自由学園の誕生 自由学園は、羽仁もと子・吉一夫妻により大正10年(1921)に女学校として創立されました。(中略) 明日館みょうにちかんはその自由学園誕生の校舎です。アメリカが生んだ建築の巨匠フランク・ロイド・ライトと、その弟子の遠藤新の設計になる建築です。   ―パンフより一部引用―

公共交通機関を利用する場合、JR池袋駅(メトロポリタン口)より徒歩5、6分。見学できる日が限られているため、公式サイトで確認した上でお出掛けください。

エントランス

見学料は500円。中学生以下は無料。(喫茶付見学料は現行800円。10月より1,000円に改定されるようです。)

受付を終えて、先ず、並びの展示室を覗きました。茶色の文字で表記した箇所は、展示室内の解説より一部引用しました。

展示室

1.羽仁夫妻が創った“明日館”と“婦人之友社”

自由学園明日館は1921年にアメリカ人の建築家F・L・ライト(1867〜1959)によって設計され、1934年に自由学園が南沢村(現:東久留米市)に移るまで校舎として使用されました。(以下、割愛)

2.あたらしい時代に婦人之友社がめざすもの

婦人之友社は1世紀以上にわたり、「よりよい生活への提案と実践」をしてきました。日本初の家計簿や立ち式調理台、和装から洋服への提案にはじまり、(中略) 家庭生活の合理化だけでなく、人と自然が調和し、すべての人が安心して生きられる「持続可能な社会」を目指して、発信しています。

ガラスケース内の資料
陳列棚の書籍

正面棟は【会議室―(出入口)―大教室―(出入口)―ホール―(出入口)―大教室―(出入口)―会議室】と、ホールを中心に左右対称に配置されています。両側の会議室は使用中につき、見学できませんでした。右側の大教室から順にご紹介しましょう。

♢大教室としま

奥まで入るのは何となく憚られ、数歩踏み入ったところで撮影しました。

大教室としま

出入口の頭上に「Toshima」と表示されています。

端にある会議室を背にして撮影。3段上がった先はホール。

廊下

建材に多用されている大谷石が重厚感を醸し出しています。窓枠のデザインが独特です。

♢ホール

女学校当時、毎朝の礼拝をしていた部屋です。南面にはこの建物のデザインを特徴づける幾何学模様の窓を配しています。修理前の窓は上下二分割されていましたが、竣工当時の形に復原しました。 ―パンフより一部引用―

吹き抜けの天井が高く、お洒落な窓ガラスから柔らかな陽射しが入ります。

ホール

六角形の背もたれの付いた可愛らしい椅子目を引きます。

木製のテーブル・椅子

様々な大きさの長方体を組んでデザインされた大谷石の柱がホールをより重厚に演出しています。

フレスコ画 縦2.5m×横5m

この壁画は自由学園創立10周年(1931年)に、在校生と卒業生の有志によって描かれたものです。(中略) 旧約聖書出エジプト記の一節(割愛)をテーマとしています。石井鶴三氏(画家/彫刻家)にご指導いただきました。(以下、割愛)

フレスコ画

てっきり、著名な画家が描いたとばかり思いました。このシックなホールの雰囲気を損なわない、気品ある壁画です。

フレスコ画(部分)

窓を背にして撮影。2階部分は展示室になっています。

ホール

ホール奥の壁面に展示スペースがあります。

重要文化財指定へ “動態保存”のモデルとしての再出発 平成9年(1997)に国の重要文化財に指定され、国および都、区の補助による保存修理事業を行いました。(中略) 全4棟が竣工当時へと復原されています。建物は使ってこそ維持保存ができると考え、明日館は使いながら文化財価値を保存する「動態保存」のモデルとして運営されています。(以下、割愛) ―パンフより一部引用―

展示コーナー

使われた痕跡のあるこの暖炉は、広大なホールを暖める為に有効だったのでしょうか。

暖炉

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感想(17件)

ホールを抜け、3、4段下がると大教室が配置されています。

♢大教室タリアセン

大教室タリアセン

教室出入口の頭上に「Taliesin」と表示されています。

JMショップへ向かう途中、視界に入ったのですが、突き当たりの会議室(Rm1921)はこの日、公開講座で使用されていたようです。机・椅子が備えられたこの大教室も、公開講座等に活用されているかもしれませんね。

踵を返し、ホール脇の階段を上がると食堂。食堂の撮影もしたかったので、受付で『喫茶付見学』を選択。基本の見学料に食堂の見学も含まれる旨の断り書きをホールで発見。そうなんだ…。

食堂へつながる階段

食堂

食堂

椅子に腰掛け、隣のテーブルを撮影。

木製のテーブルと椅子

カフェインが苦手なので、コーヒー・紅茶の代わりにリンゴジュース(子供用)を戴きました。焼き菓子は甘過ぎず、美味。

焼き菓子とリンゴジュース

ライト自身がデザインしたという照明は、当時からのものです。(パンフより一部引用)

照明

この照明のデザインも独特です。横から撮影すると尚更不思議。

照明 別の角度から

壁面のデザインと一体化した窓のデザインが素敵。

窓際の席

暖炉上部の意匠も凝っています。

暖炉 両側は階段

暖炉脇の階段を数段上がると、ホール上部に設けられている展示室へ。ここからホールを見下ろすことができます。

F・L・ライトと大谷石

大谷石おおやいし」は栃木県宇都宮市の大谷地区で産出される凝灰岩の名称で、「ミソ」と呼ばれる茶褐色の穴が開く独特の風合いを持ち、軽く、柔らかく、断熱性に優れた石材です。(中略) 1923年(大正12)、フランク・ロイド・ライト(1867−1959)によって帝国ホテル2代目本館の建材として使用されたことをきっかけに、大谷石はその評価を大きく伸ばします。明日館は、時を同じくしてライトが設計を手掛けていることから、同じ石山から採石された大谷石が用いられていると言われています。(以下、割愛)

羽仁もと子・羽仁吉一夫妻が女学校の創立を考えた時、一人の建築家が思い浮かびました。(中略) 若き日の建築家、遠藤新(東京帝国大学 工科大学 建築学科卒)です。そこで遠藤に校舎建築を相談すると、「自分よりも自分の先生であるライトに頼んではどうか」と勧められました。当時遠藤は帝国ホテルの現場でライトのもと、日本人のチーフアシスタントをしていたので羽仁夫妻をライトに紹介しました。ライトは羽仁もと子の話すこれからの女性のための教育理念に深く共感し、校舎建築を快諾したといわれています。(以下、割愛)

人の縁とは本当に不思議です。

ホール脇の出入口から外へ。扉のデザインも凝っています。

園路から振り返って撮影。

一番の見どころは、ホールと食堂。全体の見学に要する時間は、喫茶を除いて30分ほどです。

重要文化財 自由学園明日館
自由学園明日館は、1921年に創立された自由学園の校舎として誕生し、フランク・ロイド・ライトの設計により建てられた貴重な建築物です。現在は、重要文化財として公開され、見学や各種イベントの開催、施設貸出や撮影利用、ウェディングなど、さまざまな...
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