現代作家5人の作品が展示されています。会期は10月9日まで。観覧料は一般1,100円。『ぐるっとパス』を呈示すると無料になります。展示作品は撮影可。作家(敬称略)毎に印象に残った作品をご紹介しましょう。
川村喜一 (写真家)
⇩荒涼とした森に生息する野生動物の姿をとらえた一枚。エゾシカでしょうか。
⇩警戒心を露わに正面を見据える険しい目。
⇩樹洞のエゾフクロウに焦点を当てて、作品を高倍率で撮影しました。身体が小さい上、茶混じりの白い羽毛で覆われているので、雪を被った幹に紛れてしまいそうな一枚。
ふるさかはるか(木版画家)
⇩作品タイトルは《ことづての声》。藍・土で紙に描かれた線画です。土絵の具は初見。作家自ら採取した土でしょうか。発色の美しさに目を見張りました。4つの器をどう配置するか、心を砕いたのではないでしょうか。織り成す層が摩訶不思議。藍色が涼感を添えます。
⇩《ソマの舟》シリーズからご紹介します。
岩木山観光協会サイトに『朔日山』についての記載があったので、一部引用します。
“お山参詣は、向山、宵山、朔日山と3日間行われます。(中略)最終日の3日目は、旧暦8月1日の「朔日山」。参拝者は岩木山の山頂を目指して未明に出発します。懐中電灯などの明かりを頼りに岩場を登り、山頂付近でご来光に向かって手を合わせます。”
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ミロコマチコ(画家・絵本作家)
地下2階の大展示室。作家がインスピレーションで描いた大作が壁面に並び、そのスケールに圧倒されます。
⇩奄美大島をイメージした新作が展示室中央に展示されています。
円の外壁を飾る絵本《みえないりゅう》原画17作品の中から幾つかご紹介します。
⇩渦を巻き起こしているのは龍でしょうか。逞しい脚が何かを探しているようでもあり…。
⇩林立しているのは生物なのか物体なのか、それすら判別できない世界。
⇩龍の顔の青色が派手な色調の画面をぐっと引き締めているように感じます。
⇩壁面に展示されていた作品も幾つかご紹介しましょう。
⇩青色が一際目を引く作品。青色と黄色の組み合わせが華やかです。
榎本裕一(画家)
自然の織り成す造形を表現したモノクロ作品。日常と隔絶された世界観に圧倒されます。
倉科光子(画家)
見事な細密画に魅了されました。かつて津波に襲われ、もしくは放射性物質に汚染され…。そんな土地に芽吹いた植物を愛おしむ画家の真心が伝わってくる珠玉の作品群をご紹介します。
⇩“岩手県宮古市”において“津波から4年後 初夏”を描いた一枚。この植物は“ハマエンドウ”とのこと。画面を覆う植物の緑色と小花の紫色の取り合わせが涼やか。
⇩“福島県南相馬市”において“津波から5年後 夏”を描いた一枚。この植物は“ミズアオイ”とのこと。水面に映る植物の影までリアル。
⇩“福島県南相馬市”において“津波から8年後 初夏”を描いた一枚。水中に繁茂する植物は“ツツイトモ”とのこと。水面から突き上げるように茎を伸ばす植物の成長の速さも窺えます。
⇩大きなガラスケースに納められ展示されていた《「tsunami plants」のための習作》を拝見。習作とは思えない完成度です。水性ペンの描線から芸術が生み出されるとは。
以上、展示作品の一部をご紹介しました。才能と創作意欲にあふれる現代作家5人の足跡を辿る展覧会を是非会場でご堪能ください。《大地に耳をすます 気配と手ざわり》展の会期は10月9日まで。