冒頭は《ブレスレット》 ゴールド、ラピスラズリ、タイガーアイ、ダイヤモンド 1970年頃 個人蔵(シモーナ・ゴードン、ロンドン)。
過去の展覧会になります。
主催:国立新美術館、ブルガリ。後援:在日イタリア大使館。2025年9月17日から12月15日まで開催されていました。
「カレイドス」はギリシャ語に由来し、「美しい(カロス)」「形態(エイドス)」を意味します。 ―本展チラシより一部引用―
展示作品は全て撮影することができました。比較的綺麗に撮影できた作品をご紹介しましょう。尚、グレーの文字で表記した箇所は展示室内の解説から一部引用しました。
Ⅰ.色彩の科学
(前略) 1839年にフランスの化学者ミシェル・ウジェーヌ・シュヴルールが、隣接した色は互いに影響し変化して見えるという、色彩の同時対比の法則を論じました。この研究から、赤、黄、青の3つの「原色」が定義されたのです。第1章は、「原色」をテーマとする空間から始まります。原色は、ルビーの赤、ゴールドの黄色、サファイアの青など、コレクターが最も大切にする素材のいくつかの色に当たることから、ジュエリーの世界では最も重要視されています。
《ネックレス》 ゴールド、プラチナ、ルビー、ダイヤモンド 1968年 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

本作を撮影しようとすると、奥に来館者が映り込んでしまうため、10分ほど待って撮影しました。沢山のダイヤモンドが大粒のルビーを囲むデザインが華やかです。
《ネックレス》 ゴールド、ダイヤモンド 1969年 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

帯状のパーツをつぶさに拝見すると、非常に凝ったデザインです。ゴールド単体のパーツには立体的な模様が認められます。
《ブレスレット》 ゴールド、ダイヤモンド 1967年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

リボン状の先端を持つ曲線的なパーツで構成されています。このリボン状のデザインは、ネックレスにも採用されています。
《ネックレス》 プラチナ、サファイア、ダイヤモンド 1970年代 個人蔵

本展で最も気に入った作品の一つです。サファイアのブルーがこの上なく美しい。どんな方が所蔵されているのか、羨望のまなざしを向けてしまいます。
クロマティック・サークル フランスの化学者シェヴルールは、色覚に関する詳細な研究のなかで、正確かつ普遍的に認識される「クロマティック・サークル(色相環)」に基づいて色の分類体系を確立しました。原色を混ぜ合わせると、緑、紫、オレンジといったいわゆる「二次色」が形成されます。原色と二次色はコントラストに基づく力学のなかで互いに補い合います。シェヴルールの理論では、ある色の反対色がその「補色」となる仕組みが説明されており、たとえば、赤の補色は緑、黄色の補色は紫、青の補色はオレンジとなります。(中略) このコーナーでは、エメラルドの緑、アメシストの紫、シトリンのオレンジといった色彩へのブルガリの情熱を反映する選りすぐりの素材を通じて、いわゆる「二次色」の効果を堪能していただけるでしょう。
《「キリム」ブレスレット》 ゴールド、パール、エメラルド、アメシスト、ルビー、ダイヤモンド 1988年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

宝石とパールを組み合わせたデザインは、本展でもあまり見掛けなかったので掲載してみました。エメラルドの緑、アメシストの紫、といった二次色を組み合わせていますね。

壁面近くに2脚ずつ並べられた椅子は休憩用です。
《「ビブ」ネックレス》ゴールド、プラチナ、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンド 1968年 リン・レブソン旧蔵 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

緑色のエメラルドと紫色のアメシストが程よく調和した素敵なデザイン。小粒のターコイズがその繋ぎ役になっています。
《ペンダントイヤリング》ゴールド、プラチナ、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンド 1968年 リン・レブソン旧蔵 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

ネックレスとセットになっています。ネックレス同様、素敵なデザインです。大粒のターコイズが配されている点が異なります。
《「レ・マニフィケ」ネックレスとティアラの組み合わせ》ホワイトゴールド、エメラルド、ダイヤモンド 2022年 個人蔵

ネックレスとティアラを組み合わせたデザインは初見です。鑑賞用に特化したデザインということでしょうか。纏う気品に魅了されます。
※『ホワイトゴールド』について詳述しているサイトのリンクを貼っておきます⇓

《ネックレス》 プラチナ、エメラルド、ダイヤモンド 1962年頃 エリザベス・テイラー旧蔵 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

鑑賞した時は気が付きませんでしたが、エリザベス・テイラーがかつて所有していたネックレス、とのこと。先だってTV放送された『クレオパトラ』を鑑賞しました。どんな衣装も着こなす女王を演じた彼女が装着したら、さぞや…。
《ソートワール》ゴールド、ラピスラズリ、コーラル、ダイヤモンド 1970年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

冒頭ご紹介した《ブレスレット》と同時期に制作され、並んで展示されているので、セットで制作されたジュエリーなのでしょうね。所蔵者が異なるのは、別々に販売された故か、当初の所蔵者が手放した故か。その来歴が気になります。
※「ソートワール」について解説しているサイトのリンクを貼っておきます⇓
《ブレスレット》 ゴールド、プラチナ、シトリン、ダイヤモンド 1940年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

本作は、受付で配布される本展チラシに掲載されています。
価格:40000円~ |
「暖色」と「寒色」の色調 (前略) 最も重要だったのは、個々の宝石の本質的な価値ではなく、芸術的な効果と最終的な色彩の調和でした。(中略) 1950年代から1960年代にかけてブルガリが採用した大胆な宝石の配置の仕方に、とりわけ顕著に現れています。そこでは赤や黄色のような特定の「暖色」が、水色やターコイズのような「寒色」の色調と組み合わされています。
《チョーカー》ゴールド、ルビー、サファイア、ラピスラズリ、ダイヤモンド 1977年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

よほど首の長い女性でなければ、逆効果になりかねない装飾品ですよね。解説文にあった通り、暖色の宝石ルビーと寒色の宝石ラピスラズリが組み合わされています。ダイヤモンドを介しているので、どぎつく感じません。
《バングル》ゴールド、プラチナ、ルビー、サファイア、ダイヤモンド 1954−55年 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

こちらは、ダイヤモンドを挟んで、暖色の宝石ルビーと寒色の宝石サファイアが組み合わされています。本作は本展チラシ裏面に大きく掲載されています。
《「カレ」ブローチ》ゴールド、天然パール、アメシスト、ルビー、エメラルド、ダイヤモンド 1989年 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

赤いルビーの補色にあたる緑色のエメラルドが良いアクセントになっています。
Ⅱ.色彩の象徴性
(前略) 先史時代の洞窟壁画から古代のポンペイのフレスコ画にいたるまで、白、黒、赤はしばしば一緒に使われており、古代の多くの芸術作品の基盤を成しています。したがって、ローマの文化的伝統に根差すブルガリが、そのジュエリーのなかでこれら3つの基本色を巧みに用いているのも、不思議なことではないのです。
《「セルペンティ」ネックレス》 ゴールド、ホワイトエナメル、ルビー 1970年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

本展では、蛇をモティーフにしたネックレスを数多く拝見しました。

《コンバーチブル・ブローチ=イヤリング》 ゴールド、プラチナ、ルビー、ダイヤモンド 1962年 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

冒頭でご紹介した《ネックレス》と素材が同一。本作もまた若い女性に好まれそうなデザインです。
以上、17点をご紹介しました。撮影した画像を確認したら、ここで半分ほど。ボリュームが大きいため、残り半分は【後編】へ譲ります。

