【都内(近郊)開催の展覧会】2024年を振り返る。そして2025年前半を展望する。

展覧会

冒頭の写真は、手塚雄二画伯《海霧》(2003年)部分。

2024年を振り返る

今年訪ねた展覧会は20会場ほど。満足感の高かった展覧会および作品を簡単に振り返ります。

泉屋博古館東京《ライトアップ木島櫻谷》

木島櫻谷 柳桜図 1917年 六曲一双屏風 泉屋博古館東京蔵

木島櫻谷《柳桜図》(左隻) 1917年 ※絵葉書を撮影

描線といい、色彩といい、美しい屏風です。

木島櫻谷 雪中梅花図 1918年 六曲一双屏風 泉屋博古館東京蔵

木島櫻谷《雪中梅花図》(右隻) 1918年 ※絵葉書を撮影

円山応挙《雪松図屏風》を連想しました。格調高く、泰然としています。

山種美術館《東山魁夷と日本の夏》

東山魁夷 満ち来るうしお 1970年 紙本・彩色 山種美術館蔵

幅9mを超える大作。東山作品はもとより、所蔵作品のクオリティは折り紙付き。見応えのある小品も多数揃っています。

東京都美術館《田中一村展》

田中一村 不喰芋くわずいもと蘇鐵 1973年以前 絹本着色 額装 個人蔵 

先ず驚いたのは、本作が個人の所蔵品であること。代表作に数えられる『忍冬にんどうに尾長』『アダンの海辺』といった作品も「個人蔵」。美術館に寄託されているケースも多いのだろうと推測しますが、まさしく家宝ですよね。

SOMPO美術館《カナレットとヴェネツィアの輝き》

カナレット サン・マルコ広場 1732−1733年頃 油彩、カンヴァス 東京富士美術館蔵 

第一印象は「端正」。大作ではありませんが、カナレット作品の中では断然推したい。

ウィリアム・ジェイムズ スキアヴォーニ河岸、ヴェネツィア 制作年不詳 油彩、カンヴァス 東京富士美術館蔵

カナレットのみならず、ヴェネツィアの景観をモティーフにした絵画に魅了されました。丁寧なパネル解説のお陰で理解が進みました。

尚、本展は開催中です。会期は12月28日まで。

そごう美術館《寛永寺創建四百周年 根本中堂天井絵奉納記念 手塚雄二展》

手塚雄二 東叡山寛永寺根本中堂奉納天井絵   叡嶽双龍えいがくそうりゅう 2023年 板絵

ただただ圧倒されました。奉納前に拝見できる希少な機会でした。

*手塚雄二 海霧 2003年 六曲一隻屏風 

幻想的なモティーフ、気品ある色遣いに惚れ惚れしました。

大倉集古館《志村ふくみ100歳記念―《秋霞》から《野の果て》まで―》

*志村ふくみ 秋霞あきがすみ 1958年 紬織/絹糸、藍    個人蔵

志村ふくみ 月の湖 1985年 紬織/絹糸、藍、玉葱 個人蔵

見事な紬織が多数展示されています。本展は2025年1月19日まで。入館料は一般1,500円。和服での来館者は『着物割引』(300円引き)が適用されます。私は受付で『ぐるっとパス』(2,500円)を購入して入館しました。ご興味のある方は是非お出掛けください。

展覧会・イベント | 公益財団法人大倉文化財団
「特別展 志村ふくみ100歳記念《秋霞》から《野の果て》まで」東京・大倉集古館 | web太陽 ― webtaiyo ―
平凡社公式サイトweb太陽トップページ。web太陽に関連する情報や各サイトへアクセスできます。

―余談― 20数年前、志村ふくみさんの『桜染め』に友人が魅了され、その影響で特集番組を視聴しました。桜色に染めるために桜の枝を用いることが何とも不思議でした

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感想(78件)

2024年と2025年を繋ぐ展覧会

―2024/12/15追記―

会期が2024年から2025年にまたがる展覧会のうち、注目したい展覧会をご紹介します。

✦虎ノ門/大倉集古館志村ふくみ100歳記念―《秋霞》から《野の果て》まで―》 〜1/19開催

展覧会・イベント | 公益財団法人大倉文化財団

✦恵比寿/山種美術館《HAPPYな日本美術》 〜2/24開催

【特別展】HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ― - 山種美術館
1966年に日本初の日本画専門の美術館として開館。2009年渋谷区広尾に移転。近代・現代日本画を中心に、古画、浮世絵、油彩画、6点の重要文化財を含む約1800点を所蔵し、年5~6回の展覧会にて順次公開しています。創立者・山﨑種二の「美術を通...

✦箱根町/岡田美術館《御舟と一村、珠玉の日本画》 〜6/1開催

【展示替えのため休館中】御舟と一村、珠玉の日本画 ―明治から現代までの巨匠とその名作―|開催中の展覧会|岡田美術館
岡田美術館で開催中の展覧会についてご覧いただけます。

2025年前半を展望する

東京都美術館《デ・キリコ展》を見逃した私としては、来年こそ後悔のないよう、各美術館の公式サイトから2025年1月〜6月に始まる展覧会情報を収集してみました。都内(若しくは近郊)で開催される数多の展覧会から21の展覧会をご紹介しましょう。

以下、開幕日の早い順に掲載します。

✦大手町/皇居三の丸尚蔵館《瑞祥のかたち》1/4〜3/2開催

瑞祥(ずいしょう)のかたち | 展覧会 | 皇居三の丸尚蔵館 The Museum of the Imperial Collections, Sannomaru Shozokan

✦横浜/そごう美術館《手塚治虫 ブラック・ジャック展》1/16〜2/25開催

SOGO MUSEUM OF ART|西武・そごう
そごう美術館の公式サイトです。様々な分野の企画展を開催しています。

✦上野/東京国立博物館 🌷特別展《旧嵯峨御所 大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画―》1/21〜3/16開催

開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画―」
京都西北に位置する嵯峨(さが)は、古くより風光明媚な王朝貴族遊覧の地として愛されてきました。平安時代初期、嵯峨天皇(786~842)はこの地に離宮・嵯峨院を造営し、空海(774~835)の勧めで持仏堂に五大明王像(現存せず)を安置します。そ...

✦丸の内/静嘉堂文庫美術館《豊原国周生誕190年 歌舞伎を描く―秘蔵の浮世絵 初公開!》1/25〜3/23開催

次回の展覧会 - 静嘉堂文庫美術館
Exhibition info展覧会 開催中の展覧会 次回の展覧会 年間スケジュール これまでの展覧会 次回の展覧会 [豊原国周生誕190年] 歌舞伎を描く ―秘蔵の浮世絵初公開! 2025/1/25(土)~2025/3

✦六本木/森アーツセンターギャラリー 🌷特別展《古代エジプト 掘り起こせ、三千年の謎》1/25〜4/6開催

「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」 森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
古代エジプトが六本木に出現!2025年1月25日より森アーツセンターギャラリーで開催。 森アーツセンターギャラリーで開催。

✦原宿/太田記念美術館《生誕190年記念 豊原国周》2/1〜3/26開催

年間スケジュール | 太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art
渋谷区の美術館。太田記念美術館

✦六本木/サントリー美術館 🌷《没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ》2/15〜4/13

サントリー美術館

✦丸の内/三菱一号館美術館《異端の奇才 ビアズリー展》2/15〜5/11開催

展覧会について | 新しい私に出会う、三菱一号館美術館
JR東京駅徒歩5分。赤煉瓦の建物は、三菱が1894年に建設した「三菱一号館」(ジョサイア・コンドル設計)を復元したもの。コレクションは、建物と同時代の19世紀末西洋美術を中心。

✦上野/東京都美術館 特別展《ミロ展》3/1〜7/6開催

ミロ展|東京都美術館
1893年にスペインのカタルーニャ州に生まれたジュアン・ミロ(1893~1983)は、同郷のピカソと並び20世紀を代表する巨匠に数えられます。太陽や星、月など自然の中にある形を象徴的な記号に変えて描いた、詩情あふれる独特な画風は日本でも高い...

✦六本木/東京シティビュー 🌷《手塚治虫 火の鳥展》3/7〜5/25開催

―2024/12/19追記―

ネット情報から本展を追加しました。尚、NHK総合にてアニメ『火の鳥』再放送が1月1日〜始まるようです。そちらのリンクも貼っておきます。

1月1日からアニメ「火の鳥」を総合テレビで放送します
1月1日からアニメ「火の鳥」を総合テレビで放送します
東京シティビュー - TOKYO CITY VIEW
六本木ヒルズ森タワー52階にある展望台。海抜250メートルに位置し、天高11メートル、全面ガラス張りの開放感あふれる屋内展望施設。回廊内にある「スカイギャラリー」では、景色と融合した展覧会やイベントを行なっています。

✦恵比寿/山種美術館 特別展《桜 さくら SAKURA 2025 ―美術館でお花見!―》 3/8〜5/11開催

年間スケジュール - 山種美術館
1966年に日本初の日本画専門の美術館として開館。2009年渋谷区広尾に移転。近代・現代日本画を中心に、古画、浮世絵、油彩画、6点の重要文化財を含む約1800点を所蔵し、年5~6回の展覧会にて順次公開しています。創立者・山﨑種二の「美術を通...

✦上野/国立西洋美術館 🌷企画展《西洋絵、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで》3/11〜6/8開催

西洋絵画、どこから見るか?-ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館VS国立西洋美術館
サンディエゴ美術館と国立西洋美術館の所蔵品から約90点を掛け合わせて、ルネサンスから19世紀印象派までの600年にわたる西洋美術の歴史をたどりながら、「作品をどのように見るとより楽しめるか」を提案します。関連する作品をペアや小グループごとに...

✦上野/東京藝術大学大学美術館 🌷相国寺展しょうこくじてん 金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史》3/29〜5/25

相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史
相国寺展|2024年10月11日(金)~11月27日(水)愛知県美術館|2025年3月29日(土)~5月25日(日)東京藝術大学大学美術館

✦六本木/泉屋博古館東京 📕企画展《ライトアップ木島櫻谷Ⅱ》4/5〜5/18開催

展覧会 | 泉屋博古館東京 <六本木>
泉屋博古館東京<六本木>の展覧会情報です。

✦表参道/根津美術館財団創立85周年記念特別展 国宝・燕子花図と藤花図、夏秋渓流図》4/12〜5/11開催

根津美術館
東京・南青山に実業家・初代根津嘉一郎の蒐集品を元に1941年に開館した根津美術館。国宝、重要文化財を多く含む日本・東洋古美術約7,400件のコレクションを、年7回の展覧会でご覧ください。

✦新宿/SOMPO美術館 🌷《生誕140周年 藤田嗣治 7つの情熱》4/12〜6/22開催

展覧会スケジュール | 展覧会・イベント | SOMPO美術館
SOMPO美術館の展覧会スケジュールをご紹介します。これから開催される展覧会の予定についてご覧いただけます。

✦上野/東京国立博物館 📕《蔦屋重三郎コンテンツビジネスの風雲児》4/22〜6/15開催

公式サイトに12/22時点では記載されていません。

✦恵比寿/山種美術館 🌷📕特別展 生誕150年記念《上村松園と麗しき女性たち(仮称※)5/17〜7/27(予定)開催

※12/22時点では仮称。正式なタイトルは、後日追記致します。

年間スケジュール - 山種美術館
1966年に日本初の日本画専門の美術館として開館。2009年渋谷区広尾に移転。近代・現代日本画を中心に、古画、浮世絵、油彩画、6点の重要文化財を含む約1800点を所蔵し、年5~6回の展覧会にて順次公開しています。創立者・山﨑種二の「美術を通...

✦丸の内/三菱一号館美術館 📕《ルノワール✕セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠》5/29〜9/7開催

展覧会について | 新しい私に出会う、三菱一号館美術館
JR東京駅徒歩5分。赤煉瓦の建物は、三菱が1894年に建設した「三菱一号館」(ジョサイア・コンドル設計)を復元したもの。コレクションは、建物と同時代の19世紀末西洋美術を中心。

✦千葉市/千葉市美術館 📕江戸の名プロデューサー蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ》(仮称※)5/30〜7/21開催

※12/22時点では仮称。正式なタイトルは、後日追記致します。

公式サイトに12/22時点では記載されていません。

✦箱根町/ポーラ美術館 📕《ゴッホ・インパクト》(仮称※) 5/31〜11/30(予定)開催

※12/22時点では仮称。正式なタイトルは、後日追記致します。

公式サイトに12/22時点では記載されていません。

🌷マークは、トコが是非観たいと思う展覧会です。『泉屋博古館東京』は今春も拝見したので迷うところ。訪問されたことのない方は是非お出掛けください。『根津美術館』の屏風絵をご覧になっていない方も必見です!鈴木其一『夏秋渓流図』は私の推し。

📕マークは、12月13日発刊『日経おとなのOFF』(2025年1月号)に紹介されている中からピック・アップした展覧会です。

―2024/12/23追記―

日経おとなのOFF』(2025年1月号)が12月13日に発売されました。タイトル《2025絶対見逃せない美術展》。『日経おとなのOFF』月刊誌は、残念ながら5年半前に休刊となりましたが、臨時増刊号は存続。今年も書店に予約して拝読。これは!という展覧会が見つかったので、📕マークにて追記しました。尚、当ブログは12月22日時点の情報に基づいて綴っております。

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