【東京(近郊)開催の展覧会】2026年前半を展望する。(2025年12月)

展覧会

冒頭の画像は、さいたま市/別所沼公園(11月下旬に撮影)。

2025年と2026年を繋ぐ展覧会

以前ご紹介した展覧会⇓ の会期が2026年2月15日まで。念のため掲載しておきます。

♤上野/国立西洋美術館 オルセー美術館所蔵  《印象派ー室内をめぐる物語》2025年10月25日〜2026年2月15日

トップページ|国立西洋美術館
国立西洋美術館の公式サイト。展覧会・イベント情報、所蔵作品紹介、ショップ・レストランご利用案内など。

♤広尾/山種美術館 《LOVE いとおしい…!》2025年12月6日〜2026年2月15日

山種美術館(Yamatane Museum of Art)
1966年に日本初の日本画専門の美術館として開館。2009年渋谷区広尾に移転。近代・現代日本画を中心に、古画、浮世絵、油彩画、6点の重要文化財を含む約1800点を所蔵し、年5~6回の展覧会にて順次公開しています。創立者・山﨑種二の「美術を通...

2026年前半を展望する

各美術館の公式サイトから、2026年1月〜6月に始まる展覧会情報を収集してみました。東京(近郊)で開催される数多の展覧会から厳選してご紹介しましょう。以下、開幕日の早い順に掲載します。

千葉市/千葉市美術館 開館30周年記念   《ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎・広重を中心に》1月17日〜3月1日

ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に | 企画展 | 千葉市美術館

♤上野/東京都美術館🎍《スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき》1月27日〜4月12日

展覧会|東京都美術館

♤京橋/アーティゾン美術館🎍《クロード・モネ―風景への問いかけ》2月7日〜5月24日

アーティゾン美術館 Artizon Museum, Tokyo
東京駅徒歩5分、学生無料(要予約)。印象派と日本近代洋画を中心に、古代から現代アート まで約3,000点を所蔵。美術の多彩な楽しみをお届けします。

♤目黒/松岡美術館 《笑い滴る 春と夏の日本画名品選》2月25日〜5月31日

松岡美術館
松岡美術館のサイトです。

♤広尾/山種美術館 《花・flower・華 2026―横山大観の桜・川端龍子の牡丹・速水御舟の梅―》2月28日〜5月10日

山種美術館(Yamatane Museum of Art)
1966年に日本初の日本画専門の美術館として開館。2009年渋谷区広尾に移転。近代・現代日本画を中心に、古画、浮世絵、油彩画、6点の重要文化財を含む約1800点を所蔵し、年5~6回の展覧会にて順次公開しています。創立者・山﨑種二の「美術を通...

♤竹橋/東京国立近代美術館 《下村観山展》3月17日〜5月10日

東京国立近代美術館
東京国立近代美術館は、東京の中心部、皇居、北の丸公園、千鳥ヶ淵など、日本文化や自然豊かな環境に位置する日本で最初の国立美術館です。

♤上野/国立西洋美術館🎍《北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより》3月28日〜6月14日

今後の展覧会予定|国立西洋美術館

♤南青山/根津美術館 《光琳派―国宝「燕子花図」と尾形光琳のフォロワーたち》4月11日〜5月10日

根津美術館
東京・南青山に実業家・初代根津嘉一郎の蒐集品を元に1941年に開館した根津美術館。国宝、重要文化財を多く含む日本・東洋古美術約7,400件のコレクションを、年7回の展覧会でご覧ください。

♤新宿/SOMPO美術館 《ウジェーヌ・ブーダン展》4月11日〜6月21日

展覧会スケジュール | 展覧会・イベント | SOMPO美術館
SOMPO美術館の展覧会スケジュールをご紹介します。これから開催される展覧会の予定についてご覧いただけます。

♤赤坂/サントリー美術館 《ゴールドマン コレクション 河鍋暁斎の世界》 4月22日〜6月21日

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♤六本木/泉屋博古館東京 《ライトアップ木島櫻谷Ⅲ》4月25日〜7月5日

展覧会 | 泉屋博古館東京 <六本木>
泉屋博古館東京<六本木>の展覧会情報です。

♤上野/東京都美術館 🎍《アンドリュー・ワイエス展》4月28日〜7月5日

東京都美術館
東京都美術館の公式サイトです。多彩なラインナップで古今東西の美をお届けします。

♤上野/上野の森美術館 《大ゴッホ展 夜のカフェテラス》 5月29日〜8月12日

上野の森美術館
公益財団法人日本美術協会が運営する上野の森美術館は、日本美術協会美術展示館の設備を一新して1972年(昭和47)4月に開館しました。上野恩賜公園のなかに建つ当館は、開館以来重要文化財の公開をはじめ様々なジャンルの美術を紹介しています。常設展...

♤丸の内/静嘉堂文庫美術館 《元禄!師宣劇場6月27日〜8月23日

静嘉堂文庫美術館
東京・丸の内にある美術館。国宝7件、重要文化財84件を含む、およそ20万冊の古典籍(漢籍12万冊・和書8万冊)と6,500件の東洋古美術品を収蔵。

🎍マークは、トコが是非観たいと思う展覧会です。

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感想(15件)

2025年後半の展覧会を振り返る

2025年7月〜12月に来館した展覧会は15会場ほど。とりわけ感銘を受けた展示作品を振り返ります。各展覧会のブログでは感想を添えていますが、ここでは省略致します。尚、茶色の文字で表記した箇所は、各展覧会場内の解説から引用しました。

板橋区立美術館 館蔵品展《狩野派の中の人》(会期:8/23〜9/28)

狩野常信 四季花鳥図屏風 六曲一双 江戸時代(17世紀)

松の背後に滝を配置する構図は室町時代の狩野元信が完成させたもので、右隻と左隻の中心にいる白鷴はっかん錦鶏鳥きんけいちょうは探幽の絵にならったことが指摘されています。

狩野常信《四季花鳥図屏風》右隻 江戸時代(17世紀)

左隻左端の岩陰に潜むウサギは、室町時代の画僧・雪舟の作品を写した模本や、雪舟に私淑ししゅくした雪村周継せっそんしゅうけいの作品などにも見られ、雪舟系の花鳥画から勉強した様子もうかがえます。

狩野常信《四季花鳥図屏風》左隻 江戸時代(17世紀)

狩野常信  15歳のときに木挽町家こびきちょうけを継ぎ、その後は不遇の時期もありましたが、晩年には探幽しか登りつめたことのない法印ほういん(画家としての最高位)に叙任されました。(以下割愛)

広尾/山種美術館《江戸の人気絵師 夢の競演》(会期:8/9〜9/28)

歌川広重 名所江戸百景 大はしあたけの夕立 1857(安政4)年 大判錦絵 版元:魚屋栄吉

広重の最晩年を飾る大シリーズ《名所江戸百景》の中でも、本図はオランダの画家ゴッホが模写したことでよく知られる。隅田川下流に架かる新大橋を空中から見下ろした俯瞰的な景観だが、岸を斜めに配したことで、画面に大きな動きが出ている。土砂降りの夕立で遠景が煙る中、対岸の安宅の御船蔵の白壁がかすかに見える。空の雨雲の不規則なぼかしには、摺師の高い技術がうかがえる。

名所江戸百景《大はしあたけの夕立》 1857(安政4)年 大判錦絵 版元:魚屋栄吉 (ポストカードを撮影)

歌川広重 近江八景 1834(天保5)年頃 大判錦絵 版元:保永堂

近江八景は、中国・洞庭湖周辺の景勝地を詩に詠んだ瀟湘八景になぞらえ、琵琶湖南岸の八つの名所を和歌にしたもの。(中略) 保永堂から刊行されたこのシリーズは、もともとは水墨画風の画趣をねらったもので、落ち着いた色調と平明な構図があいまって、浮世絵の近江八景中、もっとも優れた作と評価されている。

東中野/東京黎明アートルーム《柴田是真》(会期:9/26〜11/24)

柴田是真 籠秋草蒔絵菓子盆 江戸時代 

是真が30歳前後に自身銘で作った乾山の意匠に着想して光琳蒔絵を意識した作品。 

日本橋/三井記念美術館《円山応挙 革新者から巨匠へ》(会期:9/26〜11/24)

円山応挙 雪松図屏風 江戸時代(18世紀) 

唯一国宝に指定されている応挙作品。雪と松を描いた本作には、墨・紙・金泥と砂子という最低限の素材しか用いられていない。雪は絵具ではなく、塗り残した紙の白さによって表されている。(以下、割愛)

国宝《雪松図屏風》6曲1双 江戸時代・18世紀 三井記念美術館

円山応挙 風雪三顧図襖 江戸時代・18世紀 白鶴美術館所蔵

慣用句の「三顧さんこの礼」の典拠としても知られる、劉備らが諸葛亮の庵を訪ねる『三国志演義』の一場面を描いた作品。(以下、割愛)

円山応挙 梅鯉図ばいりず 屏風 2曲1隻 天明7年(1787)  

円山応挙《梅鯉図屏風》 2曲1隻 天明7年(1787) (ポストカードを撮影)

伊藤若冲 竹鶏図ちっけいず屏風 2曲1隻 寛政2年(1790)以前

伊藤若冲《竹鶏図屏風》 2曲1隻 寛政2年(1790)以前 (ポストカードを撮影)

丸の内/静嘉堂文庫美術館《静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝》(前期:10/4〜11/9)

菊池容斎 呂后斬戚夫人図りょこうざんせきふじんず 天保14(1843)年

《馮昭儀当逸熊図》を描いた2年後、容斎は同じ体裁で中国後宮における史上最悪の残虐事件を見てきたかのように描く。前漢の高祖 劉邦の皇后・呂后りょこうは皇太后となって最高権力を手にすると、息子・恵帝の地位を守るべく、劉邦が生前に寵愛した戚夫人せきふじんの子を毒殺し、戚夫人の手足を斬り、目をえぐり、厠に投げ込み、ヒトブタと呼ばせた。

菊池容斎 《呂后斬戚夫人図》 部分
菊池容斎 《呂后斬戚夫人図》 部分

上野/東京藝術大学大学美術館《藝大コレクション展2025 名品リミックス!》(会期:10/7〜11/3)

橋本雅邦 白雲紅樹はくうんこうじゅ 明治23(1890)年

重要文化財 橋本雅邦《白雲紅樹》 明治23年(1890) 紙本着色

最後に、国立西洋美術館 常設展で感銘を受けた展示作品を2点ほどご紹介しましょう。

上野/国立西洋美術館 《常設展》

カルロ・ドルチ 悲しみの聖母 1655年頃  1998年度購入

ドルチは17世紀フィレンツェを代表する画家です。(中略) 本作の主題は、わが子キリストの運命をめぐって悲しみにくれる聖母マリアという極めて伝統的なもので、ドルチはこれを何枚も制作しています。ドルチ本人は敬虔な信仰の人で、生涯聖ベネディクトゥス信者会に属していました。

カルロ・ドルチ《悲しみの聖母》1655年頃 油彩/カンヴァス 

アントン・ラファエル・メングス エジプト逃避上の休息 1767年頃 2024年度購入

アントン・ラファエル・メングス 《エジプト逃避上の休息》 1767年頃 油彩/板 2024年度購入

18世紀中葉のローマで活躍したドイツ出身の新古典主義の画家メングスは、1761年よりスペイン国王付きの宮廷画家としてマドリードに渡ります。本作は彼のスペイン時代、国王カルロス3世の弟ドン・ルイス親王のために描かれました。主題は聖家族のエジプト逃避上の休息を表したものですが、ヨゼフは後景にたたずみ、画面は実質的に聖母子図として構想されています。(以下、割愛)

2025年/後期の展覧会を主軸に、簡単に振り返りました。

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